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the vernal sunshine

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【爆★判/昴沙】高枝切りバサミ

ツイッターの診断メーカーで無茶振りお題に挑戦してみました。
高枝切りバサミで3話に渡る話を・・・とかは無理ですが、とりあえず頑張った←

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        ~*+* つづき *+*~
        
        

今日は昴流さんと久しぶりのデートの日。
いつもなら、駅とかで待ち合わせるのに今日に限って家に迎えにくると言った昴流さんに
一体何があったんだろうと気が気じゃない私は、さっきから落ち着きなく居間をうろうろして
お母さんたちに呆れられてる。

ピンポーン

そんな中、約束の時間はまだかと時計を見上げた時玄関のチャイムが鳴って
私はドアホンのモニターも見ずに玄関にかけ出した。

がチャッ!

勢いよく扉を開けると、やっぱり昴流さんでインターホンの返事よりも早く開いた扉に
驚いた表情をして私を見つめている。
後ろには、塀に寄せて止められた車が低いエンジン音を響かせてハザードを点滅させているし
昴流さんの手にはなんだか判らないけれどそれなりに大きな包みが収まっていた。

「沙希、扉を開ける時は相手が誰か確認してからにしろ。」

少しして、我に返ったのか眉間に皺を寄せた昴流さんがお父さんみたいな注意をしてくる。
それを聞き流して、駐車場はこっちだよと誤魔化せば空いたてで小さく頭を小突かれた。
それから、包みを渡されて先に玄関の中に居るように促されて私が従うと
車に戻って移動し始める。
やっぱり、あれは昴流さんの車なんだ。
そんなことを思いながら玄関の小窓から見ていると駐車場に車を入れた昴流さんが玄関に戻ってくる。
一言、二言お母さんたちに挨拶してから私を手招きして包みを示す昴流さん。

「何ですか?」

問い掛ければ、開けてみろと返されて私はその場で包みを開けてみる事にする。
がさがさと包装を解いていくと、出てきたのは高枝切りバサミ。
家にあるのと同じくらいの大きさだけど、重さは半分くらいになってそうな軽い奴。

「この間お邪魔した時に切ってたハサミが重かっただろう?
 それで倒れかけてたから、買ってみたんだが・・・・。」

不思議そうにハサミを見ていたのが気になったのか、上から昴流さんの声が降ってくる。
そういえば、少し前に朝からデートが昴流さんの急な仕事で午後からになった時に
母さんを手伝って外の枝を切っていたっけ・・・と、その時のことを思い出す。
あの時は、父さんが居なくて母さんにはハサミがちょっと重すぎたから代わりに切ってて
台を使わずに高いところを切ろうとして思いっきり伸ばしたハサミと背伸びした足に
バランスを崩して危うく大事故になるところだったんだよね。
ハサミごと倒れそうだった私を、丁度家まで迎えに来た昴流さんが見つけて駆けつけて
間一髪、片手でハサミ、反対の手で私を抱きかかえて助けてくれたんだ。

「・・・・・この間、肝が冷えたからな。
 これなら軽くてあんなことにはならないと思ったんだが・・。」

迷惑だったか?と無反応な私にとうとう眉を下げて不安な表情を見せた珍しい昴流さんに
思わず噴出してハサミを大切に抱きかかえて私は笑い出してしまった。

「迷惑じゃないですよ!ただ、ちょっと不思議だっただけですから。
 あの時は特別で父が居なかったんで代わりに切ってたんですけど、
 これなら軽いですしあんなことにはなりそうにないですね。」

心配して、一杯調べて探してくれたんだろうなと思うと嬉しくて満面の笑みでそう言えば
ほっとしたような笑みを浮べてそうだなと返してくれる昴流さん。
大きな手が私の頭をくしゃりと撫でていくのが嬉しくてさらに笑顔になると、
時計を見て、昴流さんを見て、ハサミを見る。

「デート、行きますよね?」

どこへ行くかは決めてないけど、車で行くなら少し遠くに行くつもりかもしれない。
そう思って問い掛ければ少し考えて予想通り車で来たから少し遠くに行くかと返事が返る。
それに笑って頷いて、ハサミを母さんに預けると鞄を持って玄関先に戻っていた昴流さんの
大きな背中に飛びついてぎゅーっと抱きつく。
驚いたような声が聞こえるけど、今日は気にしない!
見下ろしてくる昴流さんに笑顔を向ければ、仕方ないなって顔して笑って撫でてくれる。
それに気を良くしてぎゅぅっともう少し強めに抱きついてから手を話して靴を履くと
今日はどこへ行こうかと話しながら玄関から外へと出て行く。

今度の休みはまた植木の手入れでもしようかな・・・あのハサミを使って。
そんなことを思いながら、デート日和の晴天の下、昴流さんとの久しぶりのデートを満喫した。

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