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the vernal sunshine

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【爆★判/流紗】一期一会(side:流星)

りゅうさきで、実況中継っぽい感じになっちゃったんですが如何でしょ?
この後はデートして・・・・色々ありますよね(イイ笑顔)

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        ~*+* つづき *+*~
        
        

「・・・・なんでこんなことになったんだ?」

とある喫茶店の奥まった席で、大柄で少し柄が悪そうな強面の男が
不機嫌そうにジュースを啜りながら頬杖をついて窓の外を眺めている。
ぼそりと呟かれた言葉は低い地を這うような声音で落とされた。

「あんなとこで、昔の客に逢わなきゃ良かったんだよな。」

遠い目をした男は、物思いにふけりつつ小さくため息を落としてグラスを置くと
暫くは動けないしやることもないしで携帯を弄り始めた。
一体、男に何があったのか・・・・。

それは小一時間ほど前に遡る。

喫茶店の近くにあるスクランブル交差点で次の行き先を話して楽しそうにしている一組のカップルが居た。
一人はこの後喫茶店に放置をされる強面の男、もう一人は元気で活発という印象を受ける小柄な少女。
楽しげに話す二人は傍目から見ても兄妹というよりは恋人同士だと判る雰囲気で近くにいる人たちも
微笑ましげにその様子を見ていたりしたのだが・・・。
信号が赤から青へと変わろうかという時、その雰囲気に割り込む女性2人組が現れた。

「ねぇ、流星じゃない?」
「あらやだ、本当。流星、ホスト辞めたって聞いたけどこんな可愛い子捕まえてたのね。」

近づいた女性達は片方が男へと声をかけ、もう片方が少女を見下ろして品定めをしている。
そんな状態で少女が不安に思わないわけはなく男へとそっと寄り添うと男が庇うように女性2人の前に立つ。
そしてふと気付く、男は2人の女性が以前やっていたホストの時の客だということに。

「なんだ、美鈴さんと麗魅さんじゃないっすか。」

直ぐに名前が出てくるところは、やはり辞めてもホストというところだろうか
男は険しかった顔を緩め笑みを見せると女性たちの名前を口にした。
その男の態度に少女の方も何となく察したらしい、男の影から顔を出す。

「久しぶりね、元気そうで良かったわ。」
「で、彼女・・・なのよね?紹介してよ。」

男が自分達を覚えていたことに気を良くした女性たちは、影から顔を出している少女へと
視線を移すと微笑ましそうな笑みを浮べて男へそう告げる。
男の方も女性たちの正体が判って安心したのか、少女を促すと女性たちへと紹介する。

「沙希、この人たちは俺がホストになった時から世話になってる人なんだ。
 右が美鈴さんで、左が麗魅さん。」
「あ、稲船沙希です!初めましてっ!!」

男が女性たちを紹介すると、少女は元気に頭を下げる。
その様子をやはり微笑ましそうに見つめている女性たちはソレゾレ自己紹介すると
互いを見合ってニヤリと企んだ笑みを口元に浮べた。
元来、真っ直ぐで疑うことをあまりしないのだろう男は、その女性たちの様子には気付かず
少女に腕を引かれて問い掛けられた内容へと返事を返している。

「ね、流星。アナタちょっとその辺の喫茶店でゆっくりしてなさい。」
「そうそう、私たちちょっと沙希ちゃんと話があるから。」

男と少女の会話など聞こえない様子で、女性たち2人がその間に割り込むと
一人が少女の肩に手を回してそのまま引き寄せ、もう一人が男の肩を押して丁度色が変わった信号の
その向こうに見える喫茶店の方へと促す。
驚いたのは男と少女で、少女の方は男の恩人であろう女性2人をむげにすることも出来ず
オロオロとしており、男は文句を言おうと口を開けかけたところだった。

「ね、流星のホスト時代の話、興味ない?」
「色々教えてあげるから、ちょっとだけ私達に付き合って?」

こっそりと、少女を両サイドで挟むように立っていた女性が少女の耳元で囁く。
それに一瞬の迷いを見せた少女が悪かったのか、女性たち2人はにっこりと笑むと
男に向かって2、3時間もしたら戻るからと言い放って少女を連れ去ってしまった。

そして、ぽつんと残された男は信号が点滅し始めたのに気付いて慌てて渡ると
向かいにあった喫茶店へと入り窓ガラス側の一番奥の席へと座って待ちぼうけを食らうこととなった。
果たして女性たちが少女に何を吹き込んでいるのか・・・それは女性たちのみぞ知るというところ。
男がその待ちぼうけから解放されたのは、女性たちの宣言通り3時間後。
女性たちに弄られ、着飾った少女が恐る恐る傍に寄ってきた時だった。



-おまけ-
流星:おい、あの人たちに何吹き込まれたんだ?
沙希:え?あ・・・えっと、流星さんがナンバーワンだった頃の接客風景とか・・色々
流星:ふーん・・・なんでそんな顔真っ赤なんだよ。
沙希:べっ、別に何でもないヨ!ちょっと暑いだけ!!
流星:あ?暑くねぇだろう、もう冬も間近なんだぞ?
沙希:本当に何でもないヨっ!!ほら、行こう!!今日は水族館行くんでしょ?
流星:・・・・・後で吐かせてやるからな。
沙希:っ・・・絶対言わない!

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