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the vernal sunshine

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【忍題/お店】私の町の不思議なお店

テーマ「お店」から、レトロな味わいを残した町に住む女の子が見つけたちょっと変わった不思議なお店のお話。

拍手[1回]

        
        
        ~*+* 私の町の不思議なお店 *+*~
        
        

私の住む町はちょっと変わってる。

昔ながらの街並みは坂や階段が多くて狭くて入り組んでて、
時々猫しか通れないような路地が出来てたりする。

階段は石畳で、レンガで出来てる部分もあるけど、
家並みは昔の日本と海外の古い街並みって書かれている雑誌に
あるようなレンガ造りの家が混在してて凄く不思議。
でも、私はそんな不思議な町がとっても気に入っている。

何故って?

だって、朝早くに目が覚めて散歩に出ると小鳥たちが会話をしていて
いつも行く決まった路地には必ず決まった場所に決まった格好で
とっても眠そうな顔をした大きな大きな猫が居るの。
その猫はとっても大きくて動きが鈍そうなのに、私がじぃっと見ていると
瞬きをしている間にどこかへ消えちゃうの。

座っているのは後ろに隙間がない壁のでっぱりで、
絶対に私の方にしか降りられないし一本道の途中だから
目を逸らさなかったら瞬きしててもわかるはずなのに、いつ降りたのか解らない。
毎日毎朝飽きもせずに挑戦しに来る私を、その猫は最近呆れた目で見てから
消えてっちゃうから悔しくって仕方ない。

私が気に入っているのはこれだけじゃないの。
町の近くには海があって、見晴らしの良い場所に行くと遠くが見えて
いつも波の寄せては返す音が聞こえて安心できるし、
緑も多くて大きな大きな木の洞には小さい頃に秘密基地も作った。

そんな町で、今一番のお気に入りはいつの間にか出来ていた不思議なお店。
今日も足を伸ばして私はそのお店を訪れる。
外見はレンガ造りのレトロな家で、窓は小さな出窓が1つ。
中を覗くと何もないように見えて、何のお店か判らない。
看板はなくって、お店の軒先に小さな黒い猫が蹲って扉の前に立つ私を
チラリとひと睨みしてから目をつぶっちゃう。

「こんにちはー。」

カランカランと軽い、可愛いベルの音が鳴る扉をそっと開けると
外からは何もないように見えたお店の中が見えてくる。
いたるところに所狭しと置かれた色んな柄、色、大きさの鞄、鞄、鞄。
それだけじゃ飽き足らなくて、靴に、傘に、使えそうな生活雑貨に始まって
コレは何に使うの?って聞きたくなる歯車やネジの1本だってこのお店の商品。

「また来たのかい?」

私がくぐった扉が静かに閉まるころ、カウンターの向こうからコーヒーを片手に
顔を出したおじさんがにっこりと笑顔で言葉を返してくれた。
このお店の店主さんで、自称魔法使い。

このお店の品物は、ぜーんぶ魔法がかかってて必要な時、必要な人に、
その全部が滞りなく届くようになっているんだって教えられた。
でも、私はこのお店のものが売れていく姿も私が買いたい!と思うモノも見てなくて
今一番不思議で気になっているから毎日通ってる。

「うん!だって売れるところが見たいんだもん。」

すっかり顔なじみになったおじさんに、私が至極真面目にそう答えたら、
おじさんはくすくすと笑いながら「そうかい?」って答えて私にもカフェオレをくれる。
それも一瞬で、いつの間に手にしていたのかわからないくらいの早業。

「もう直ぐ売れるよ。きっともうすぐ・・・ね。」

お砂糖の壷を出しつつ、意味深な視線を私に向けてそう言うおじさん。
視線が合って、不意に私がこのお店を見つけた時に言われた言葉を思い出す。

『このお店は必要な人が、必要な時に、どんな場所に居ても訪れることが出来る。
 そうして、必要な物を手に入れることが出来る魔法がかけてあるんだよ。』

店先の黒猫が、それを判断してお店に入れてくれるんだって言ってた。
そうじゃない人にはこのお店は無人のがらんどうなんだって。

じゃあ、やっぱり私に必要なモノがあるのかな・・・・?

「おじさんのその言葉、もう1ヶ月毎日聞いてるよ?」

貰ったカフェオレを飲みながら、近くにあった椅子に座ってそう言えば
楽しそうに笑いながらおじさんは頷く。

「そうだね、でも君に必要なのは正しくはこの店のモノじゃないからね。
 今日辺りきっと見つかるよ、君が探してるモノがきっと。」

意味ありげに、でもすっごく優しい笑顔でそうおじさんが言った時
今まで私が居る時には1度も鳴らなかったドアベルの音が鳴って誰かが入ってきた。
今度こそ、売れる瞬間が見れるのかしら?

そんな期待をこめて扉へ視線を向けた私は、その数日後にようやくおじさんの言葉を
理解することになるのだけれど・・・・。

今はまだそんなことは判らないまま、扉が閉まるのを視界に捉えてカフェオレを飲んだ



***+*** あとがき ***+***
尻切れトンボでお送りしております、今回のお題でーす!
期間内の提出ならず・・・延長を申し出ての提出となりました><。

本当はもっと違う感じのをイメージしていたんですが、
色々考えてたら纏まらず、思うままに書いたらこうなりました!
街並みのイメージは自分が行ったことのある場所や地元がモデルですが
全くの架空の町なのでご容赦下さいw

「お店」がテーマということで、不思議なお店を書きたいという欲求はあったんですが
どう書いた物か・・・・ってなってましてwww
本家サイトの方にも1本不思議なお店の話を書いているのですが、
そちらとはまた違ったお店になっておりますゆえ楽しんでいただければと思います^^

支離滅裂な文章はいつものことと、流して雰囲気を楽しんでいただけると幸いです!
最後までありがとうございました>w<*


お題元:忍題β
他にも素敵な作品一杯です!!是非是非閲覧下さいv

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