りゅうさきで、前回の女性陣サイドのお話。
沙希ちゃんは何を教え込まれたんでしょう･･･ね？（イイ笑顔）

[0回]

　　　　　　　　
　　　　　　　　
　　　　　　　　～*＋*　つづき　*＋*～
　　　　　　　　
　　　　　　　　

「なんでこんなことになったんだっけ･･･？」

そんな少女の呟きは、勢い良く買い物をする女性２人には届くことなく
嬉々としてアレコレ相談している。

「さっ、決まったわ。次はコレよ！」

出された衣装は少し胸を強調するスタイルの良いTシャツにふんわりとした
膝丈のスカートに網タイツとブーツというちょっと際どい格好を少女に持たせ
女性たちは少女を更衣室へと押し込んだ。

現在、彼女たちが居るのは麗魅と紹介された女性が経営しているというブティック。
今日は定休日らしいが、社長である本人が居るので何も問題はないらしく
商品をとっかえひっかえして着せ替えを頼んでいるようだ。

「ね、沙希ちゃんは流星とどこまで進んでるの？」

更衣室に押し込んで、カーテンを閉めた女性のうち１人がそう声を掛けると
中から心底驚いたと言いたげな悲鳴があがってガタガタッと何かを落とす音
（多分少女が手にしていたハンガーか何かだろう）が響く。
それにクスクスと女性２人が笑い合いながら、更に問い掛ける。

「流星のことだから手を出してないってことはないと思うのよね。
　今までの彼女たちは流星にホストを辞めさせるまでは至らなかったけど
　それなりに手は出してたみたいだし･･･。」

最後までしたかは知らないけど、と片方が話せば片方が補足する
そんな風に交互に語られるのは少し前に女性２人に放り出された少女の恋人
あの大柄で強面の男のことのようだ。
少女はカーテンの中で複雑そうな表情をしながらも、ごそごそと着替え始める。
そこをすかさず繰り返して問いかけた女性に答えを窮しながらももごもごと
普段の少女を知る者から見れば随分と歯切れの悪い話し方で返事を返している。

「その････えっと････い･･･だけ」

小さい、聞き取れないほどの声で何かを告げた少女だったが
しっかりと女性たちの耳には届いたらしい、２人が同時にきゃーっ！と
黄色い悲鳴を上げるのに再びガタガタッと中で物が落ちる音が響く。
しかし、暫くするとカーテンの隙間から少女が顔を出した。

「あの･･･着替えたんですけど。」

女性たちの勢いに、少女もいつもの勢いはすっかりとなりを潜めているようで
恐る恐るという感じに声をかければ女性たちに引っ張り出されて撮影会。
何度それを繰り返したのか、女性たちが満足する頃には少女は可愛らしい格好で
少々疲れた様子で勧められた椅子に座ってお茶を頂いていた。

「流星が辞めたって聞いた時は吃驚したけど、沙希ちゃん見てると納得ね。」

美鈴と紹介された女性がほぅっと一息つくように溜息を落としてしみじみと言えば
麗魅と紹介された女性がうんうんと肯定するように頷いている。
それに首を傾げた少女は、僅か照れた表情ではにかんでいるが嬉しそうだ。

「流星に限って変な隠し事とかはしないと思うし」
「貴女が悲しむことはまずないと思うんだけど」
「「幸せにならないとダメよ？」」

女性が交互に言うのに、はい。と笑顔で応えた少女は手招きされて首を傾げる。
更に手招きをされて耳を貸すように言われればカップを置いて身を乗り出す。

「１つだけ良いこと教えてあげる。今度流星で試してみなさいな。」
「そうそう、大慌てすると思うけどきっと可愛いあの子が見れるわよ。」

２人の女性がくすくすと楽しげに笑いながら、何かを耳元で説明すれば
聞いた途端に顔を真っ赤にしてそんなこと！！と叫ぶ少女にクスクス笑いは更に大きくなり。

「でも、可愛い流星には興味があるでしょう？」
「貴女がしたいと思った時で良いのよ、覚えてて損はないから。ね？」

何かを企んだ女性２人に丸め込まれて、真っ赤な顔のまま頷いた少女は
その顔の赤みが引いた頃女性２人に連れられて男の待つ喫茶店へと送られた。
服は２人からのお祝いだからと押し切られて、可愛らしい姿のまま。
子供っぽさと大人の雰囲気を兼ね備えた大柄な強面の男が驚きに目を見開き
姿を絶賛するまであと少し。

少女が女性たちに聞かされたことを問い詰められて答えるまであと数時間。
どう答えたかは２人のみぞ知る･･･。